インドに生まれたガンディーという偉人:非暴力と道徳の旗手

「未来は今日の行動によってつくられる」

これはモーハンダース・カラムチャンド・ガンディー(Mohandas Karamchand Gandhi)の言葉です。

彼はインドにおいて、国民の意識を深く目覚めさせる原動力となった最も偉大な人物です。

高名なインドのラビンドラナート・タゴールという詩人が、このガンディーを「偉大なる魂」という意味である「マハトマ」と称しました。以後今日まで、世界的に彼は「マハトマ・ガンディー」として知られることとなりました。

今日はそんなマハトマ・ガンディーについて知っていきましょう。

では、ガンディーはどれほど偉大な人物なのでしょう?

彼について書かれた物語、本、詩そして伝説は数多くあります。そして、実に100以上もの国がガンディーの切手を発行しています。彼は世界的な民主主義の父として知られており、民主主義を導いてきた多くの世界的指導者たちに大きなインスピレーションを与えてきました。彼の死後約70年経った今なお、その影響を世界中に与え続けていることは、偉大なことです。

近代においてガンディーを超える指導者は誰もいないとも言われています。

愛国心を持ち、命をかけて恐れることなく、高い思想を持った優れた指導者であったマハトマ・ガンディーは、インド史上最高のリーダーと考えられているのです。

また、全ての階層の国民において広く知れ渡り、絶大に支持された人物は、インドではガンディーだけだともいわれています。

<ガンディーの若年時代>

「あなたが見たい世の中の変化に、あなたがなりなさい」-  マハトマ・ガンディーの言葉

ガンディーは、グジャラート州(インド最西端の州)のエリートの家に生まれ、ジャイナ教(古代インドの宗教)の影響を強く受けて育ちました。よって彼は自然に、非暴力、菜食主義の考えを持ち、自己浄化のために断食し、他の信条や宗派の考えへ寛容であることを身につけてきたと言われています。

ガンディーはインドの慣習の中で13歳の時に同い歳のカストゥルバと結婚、その後も学び続け、1888年9月、18歳の時にイギリスに渡り、法廷弁護士になるためロンドンの大学に入りした。その後、彼はインドに戻り、ムンバイで法律事務所を開設しましたが、1893年に彼は南アフリカのクワズール・ナタール州にあるインド人の法律事務所から誘いを受けます。

これが彼の人生の転換点となります。

ここで、ガンディーは世界的な指導者への道を歩き始めました。

では、ガンディーはどのような影響を受けたのでしょうか。

南アフリカ滞在中、彼は黒人とインド人に対する多くの差別を目の当たりにしました。この人種差別、偏見、および不当な行為の経験は、後の彼の行動主義のきっかけとなります。南アフリカのこの現状はインド人のコミュニティを組織化する働きをもたらします。ガンディーが率いる定期的な平和的抗議活動によって、状況は改善し始め、人々はよりよい社会にするための彼の無抵抗不服従運動(真実への献身)、非暴力主義に賛同するようになりました。

探し続けてきたものが、ガンディーにとって形となって現れてきたのです。

それは人のために尽くし、真実の道を歩むという彼の使命でした。

<ガンディーの最も重要な二つの原則>

1915年、ガンディーはインドに戻ります。インドではすでに彼の功績は「マハトマ(偉大なる魂)」として知れ渡っていました。まもなく彼はインドのイギリスからの完全独立運動をはじめます。ただし、彼の無抵抗不服従運動(真実への献身)、非暴力主義を貫き、そして国民にもその主義を守るよう指導しました。

「平等」
ガンディーは古くからのカースト制度の悪しき習慣を排除することによって、インドのすべての階層や宗教の間で人々が平等であることを目指しました。彼にとってすべてのインド人は同等であり、人々にも皆が同等であることを伝え続けました。彼はまた、低い階層の人々を、『全能の神の子供たち』を意味する言葉でハリジャンと名付けました。

「真実への献身」
ガンディーは、非暴力と無抵抗不服従運動(真理の力)で人々の平等のために活動してきたことで世界的に知られています。彼は、諦めることなく誠実に行動すれば、相手の意識を変えることができ、相手に真理の力を理解してもらえると信じていました。その信念は非暴力を貫くこと、生命を大事にすること、そして自分自身を捧げること。彼は、非暴力は真実の探求の基礎であり、それが道徳の中核である真実であり、そして道徳が私たちの生活の基礎であると信じていました。

若い活動家から始まり世界的に高名な政治指導者になったマハトマ・ガンディーは、インドに自由を取り戻し、彼の全生涯を善のために尽くしました。

「貴方自身を見出す最もいい方法は、他人のために自らを投げ出すことだ。」

彼の言葉はこれまでもこれからも永遠に語り継がれるでしょう!

また、首都ニューデリーにあるガンディー廟には日本の前の天皇である明仁上皇夫妻が過去2度も訪れ供花している点でもガンディーの偉大さがわかるものです。

民主主義の父・ガンディーを生み出したインドがアメリカ、中国と肩を並べる大国となる日は近づいています。アメリカと並ぶ民主主義の大国へと飛躍していくインドと日本はどのような関係を気づいていけるのでしょうか?

ここでもう一度、ガンディーの言葉をかりましょう。

「あなたが見たい世の中の変化に、あなたがなりなさい」

インドと日本の未来を私たちが創り出すのです。

鳴海 智浩

アカルジャパン株式会社・代表取締役。今後10年のインドの成長に貢献したいという強い思いで2018年に渡印する。アメリカ、スリランカ、インドに住んだ経験を持つ。アメリカの大学で国際関係学を専攻。比較文化論の専門家であり複数の会社を持つ経営者でもある。

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